エンジニアの皆さん、転職市場は常に変化していますよね。自分の技術や経験をいかに魅力的にアピールするかが、転職成功の大きなカギを握っています。でも、多くの人が悩むのは、そのスキルや経験を職務経歴書にどうやって上手く書き込むか、ですよね。
今回のブログでは、エンジニアとして現場で働き、採用活動も経験している私が、失敗しない職務経歴書のコツをお伝えします。転職市場で自分の価値を最大限に活かすためのポイントが何か掴めたなら嬉しいです。
エンジニア転職においては他の職種よりも職務経歴書にこだわった方が良い
エンジニア転職では、技術力とプロジェクト経験を詳しく書いた職務経歴書が特に重要で、以下の理由により他職種と比べて職務経歴書により細かな注意を払う必要があると思っています。
エンジニアは技術力と経験の証明が不可欠だから
エンジニアリングの分野では、履歴書に書く学歴などの内容よりも個人の持つ技術力や経験が非常に重要視されます。
その理由は、具体的な技術やプロジェクトにおける実務経験が直接的に仕事の成果に結びつくからです。
プログラミング言語やフレームワーク、さまざまなツール、プロジェクトを管理する技術など、特定分野の深い知見や実務での経験は、仕事を進める上で欠かせないものです。
職務経歴書にこれらの詳細を丁寧に記入することで、採用担当者は応募者が仕事の要求に合っているかどうかを正しく評価できるようになります。
履歴書よりも実務面を伝えやすいから
履歴書と職務経歴書は、エンジニアに限らず就職活動においてよく必要とされる書類ですが、以下の通り、より実務面でのアピールを担うことがわかると思います。
- 履歴書
-
あなたの個人情報や学歴、持っている資格などが総合的にチェックされます。
この書類を通じて、あなたはどんな人物なのかを見ることができるわけです。
- 職務経歴書
-
あなたがこれまでに培ってきた専門知識や実務での経験を詳しく記載します。
この内容により、あなたがその仕事にどれだけマッチしているか、どのようなスキルを持っていて何ができるのかをアピールするために使います。
前述の通り、エンジニアは技術力や経験の証明をする必要があります。
なかには「職務経歴書の他にもGitHubやZenn、Qiitaなどのブログリンクなどアピールできるからいいじゃないか!」と思う人がいるかもしれません。
しかし網羅的に技術や経験を一目でわかりやすくという視点で考えるとやはり職務経歴書にこだわるべきです。
まずは最低限のフォーマットをおさえる
必須項目
職務経歴書には、次の基本情報を最低限必ず書きましょう。
カテゴリ | 詳細 |
---|---|
職務経験 | – 会社名 – 勤務期間 – 役職 – 事業内容 |
担当プロジェクト | – 期間 – プロジェクト – 業界 – 担当 – フェーズ – 業務内容 – 開発環境 – チーム規模 – 役割 |
技術的スキル | – プログラミング言語 – フレームワーク – 使用経験のあるツール |
レイアウト
レイアウトは、読む人が情報をすぐに見つけられるようにするために重要です。次のポイントに注意しましょう。
- できる限りシンプルに
-
飾りは最低限にして、まずは情報が読みやすいことを一番に考えましょう。
- 見出しを使って見やすく
-
各セクションをはっきり分けて、見出しを使って情報を整理しましょう。
- 表や箇条書きを使う
-
職務経験やスキルセットをリストで箇条書きにし、読みやすくしましょう。
会社情報の例
期間 | 会社名 | 事業内容 | 資本金 | 売上高 | 従業員数 | 上場情報 | 役職 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
20xx年xx月~現在 | 株式会社XXXX | ウェブサービス開発 | x千万円 | x億x千万円 | xxx人 | 未上場 | 正社員 |
プロジェクト情報の例
期間 | プロジェクト | 業界 | 担当 フェーズ | 業務内容 | 開発環境 | チーム規模 | 役割 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
20xx年xx月~現在 | ECサイト向け決済システム開発 | Eコマース | – 要件定義 – 設計開発 – テスト – 運用保守 | – 顧客との要件定義 – システム設計 – API開発 – テスト自動化の導入 – システムの運用保守 | – Python – React – Docker – AWS | 10名 | プロジェクトリーダー |
20xx年xx月~20xx年xx月 | 在庫管理システムのクラウド移行 | 小売業 | – 詳細設計 – 開発 – テスト – 運用保守 | クラウドアーキテクチャの設計、マイクロサービスの開発、CI/CDパイプラインの構築、運用保守 | -Go -Kubernetes -Terraform -GCP | 8名 | サブリーダー |
20xx年xx月~20xx年xx月 | AIによる顧客分析ツール開発 | マーケティング | – 開発 – テスト – 運用保守 | データ分析モデルの開発、API統合、システムのパフォーマンスチューニング、顧客サポート | – Python -TensorFlow – Flask – Azure | 6名 | メンバー |
技術スキルの例
OSスキル
OS名 | 経験期間 | レベル |
---|---|---|
Ubuntu | 3年6ヶ月 | 環境設計・構築が可能 |
CentOS | 2年4ヶ月 | 環境設計・構築が可能 |
macOS | 1年2ヶ月 | 基本的な操作と環境設定が可能 |
言語・フレームワークスキル
言語名 | 経験期間 | レベル |
---|---|---|
Python | 4年3ヶ月 | データ分析、ウェブ開発が可能 |
Go | 2年6ヶ月 | バックエンド開発、マイクロサービスが可能 |
TypeScript | 3年 | フロントエンド開発、SPA開発が可能 |
Rust | 1年6ヶ月 | システムプログラミングが可能 |
DBスキル
DB種別 | 経験期間 | レベル |
---|---|---|
PostgreSQL | 3年9ヶ月 | 設計、構築、最適化が可能 |
MongoDB | 2年 | 設計、クエリ最適化が可能 |
他の候補者と差をつけるために
即戦力としてのアピール
採用の担当者は、エンジニアがすぐに活躍できるか、本当に技術があるか、そしてこれからも会社の役に立つかを知りたがっています。
ただ技術的なスキルを挙げるだけでなく、それを実際の仕事にどう生かし、問題解決や新しい製品の開発にどう貢献したかを具体的に話しましょう。
職務経歴書で「仕事での知識」「今までの会社での成果」「似たような業務・プロジェクトで成功したこと」をしっかりとアピールすることで、あなたが即戦力として価値があるという印象を与えることができます。
さらに、具体的な数字や成果を出すことで、あなたの仕事への影響力をもっとはっきりと、説得力を持って伝えられます。
この方法で、職務経歴書はただのスキルの一覧から、あなたの実力と可能性をしっかり見せる強い武器に変わります。
デザインにこだわる
転職エージェントがフォーマットとして持っている職務経歴書は多くの候補者の間で利用されているものなので。大きなハズレはないものの、無難でインパクトがないものになっています。
少し時間はかかりますが、見やすい独自のデザインにこだわることで他の候補者と差別化を図ることができます。
わかりやすい職務サマリを入れる
大抵書類を見る相手は時間がない人です。そういった人でもスーッっと頭に入る内容を書類の冒頭に入れましょう。
ここでインパクトがある内容が盛り込めるなら尚更良いです。
ソフトスキル(分野を超えた強み)を強調する
プログラミング言語やフレームワークなどのハードスキルも重要ですが、エンジニアは実装を行う時間よりもそれ以外のコミュニケーションを行う時間が実は多いため、ソフトスキルを重視する傾向が年々強くなっていると感じます。
コミュニケーション能力、折衝力、情報収集力、分析力、問題解決能力、チームワーク、リーダーシップなど、職場での対人スキルも強調します。
ただし具体的な例を出すことを忘れずに。
ぼんやりしたスキルだからこそ、他の候補者もとりあえずで書いていることが多いので、説得力を持たせるためにはこれらのスキルがプロジェクトやチームの成功にどのように貢献したかを例を交えて示しましょう。
応募先企業にあったハードスキルを強調する
エンジニアとして特定の分野や技術に深い知識を持っている場合、その専門性を際立たせることができます。最新の技術トレンドに精通していることや、特定の技術分野での深い経験は、あなたを他の候補者と差別化する要素となります。
応募する企業の求人情報を参考にして、企業が求めるスキルや人物像に合わせて自分の強みを見つけ、アピールすることも重要です。
企業によって求められるスキルは異なるため、応募先のニーズに合わせた強みのアピールが求められます。
継続的学習と成長への取り組みを伝える
技術の世界は止まることなく進化しているため、エンジニアは最新の知識を常に取り入れ、スキルを更新し続ける必要があります。職務経歴書を以下のように書くことで、自分が成長しようとする意欲と、これからも組織に貢献し続けることをアピールできます。
学び続ける姿勢
- 新しい技術を学び、資格を取ることで、最新のトレンドに対応できる能力があることを見せます。
- 継続的に成長するために、どんなコースやセミナーに参加したかを書きます。
専門性をアピールする
- どんなプログラミング言語や技術を使って、どんなプロジェクトに関わったかを詳しく説明します。
- 複雑な技術的問題をどう解決したかの具体例を挙げて、考え方と解決能力を示します。
成長の道のり
- 初心者から今に至るまでのスキルアップとキャリアの発展を振り返ります。
- 特定の技術分野での知識や経験の深さをアピールします。
プロフェッショナルな自分を印象付ける
- 過去の経験から何を学んだか、それが今の仕事にどう活かされているかを話します。
- 明確なキャリアの目標を設定し、長期的なビジョンとしてのプロフェッショナルな姿を提示します。
自分独自に取り組んだ内容を盛り込む
技術は常に進化しているため、継続的な学習と自己向上はエンジニアにとって不可欠です。オンラインコースの修了証明、業界認定資格、技術セミナーやカンファレンスへの参加など、自己向上のための取り組みを職務経歴書に記載することで、あなたの学習意欲と専門性向上への取り組みをアピールできます。
書き終わったらチェックすることは必須
職務経歴書を仕上げたらじっくりと見直しをして、他の人の意見も聞くことが重要です。
まずは自分でチェックリストを使って推敲してみましょう
- 文法やスペルのミスは、プロフェッショナルな印象を損なう原因になります。校正ツールを活用するか、信頼できる誰かに見てもらうことが大切です。
- フォントの種類や見出しのデザイン、リストのレイアウトなど、履歴書全体で統一感を出すことが重要です。
- 専門用語を適切に使い、成果や担当した仕事をアピールする言葉選びをしましょう。
職務経歴書は、あなたが応募する仕事に対する最初の印象を左右します。丁寧にチェックし、他人の意見を参考にすることで、その印象をぐっと良くすることができます。
周囲の人やプロの目でチェックしてもらいましょう
- キャリアアドバイザーや業界の先輩に職務経歴書をチェックしてもらうことで、プロの目線からどう改善できるかのアドバイスがもらえます。
- 同じ分野で働く友達や同僚にも見てもらいましょう。彼らは同じ専門知識を持っているので、技術の詳細や業界特有の言葉遣いに関して役立つ意見がもらえるでしょう。
フィードバックを活かして改善しましょう
- もらった意見は、職務経歴書をより良くするための大切な材料です。開かれた気持ちで受け止め、改善策を考えましょう。
- 様々な背景を持つ人からの意見を取り入れることで、多角的に職務経歴書を見直すことができます。
このプロセスを経て、職務経歴書をさらにブラッシュアップし、キャリアの次なる一歩に向けて最高の準備をしましょう。
エンジニア転職の職務経歴書の書き方のまとめ
- 技術力と経験の重要性
- エンジニアリングの分野では、学歴より技術力と実務経験が重視される
- 技術やプロジェクト経験は仕事の成果に直結する
- 履歴書と職務経歴書の役割
- 履歴書は個人情報や学歴、資格を総合的に示す
- 職務経歴書は専門知識や実務経験を詳細に記載し、技術力や経験を証明する
- 職務経歴書の作成で差をつけるポイント
- 基本情報の明記(会社名、勤務期間、役職、主な仕事内容、技術的スキル)
- シンプルで見やすいレイアウトの採用
- 即戦力としての能力、具体的な成果と数字でのアピール
- デザインと独自性にこだわり、ソフトスキルの強調
- 応募先企業のニーズに合わせたハードスキルの強調
- 継続的な学習と成長への取り組みの示し方
- 職務経歴書の改善とフィードバックの活用
- 文法やスペルのチェック、レイアウトの統一感
- 専門用語の適切な使用、成果の効果的な表現
- プロの目や同業者からのフィードバックの取り入れ
- 多角的な視点からの職務経歴書の見直しとブラッシュアップ
このように工夫をすることで、あなたの価値をしっかりとアピールでき、他の候補者よりも一歩先を行くことができルはずです!
この記事が何か参考になったなら幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました!
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